筆者の初期サイパラデッキ作成が2017年のため、昔のカードプールや構築論で語っている部分があります。ご了承ください。
皆さん初めまして。斉藤伸也と申します。
早速ですが、沈黙の魔導剣士-サイレント・パラディンというカード、めちゃくちゃ可愛くないですか?
僕は大好きなので財布に入れて持ち歩いています()
このページを見てくださっている方は少なからずサイレント・パラディン(以下サイパラ)の知識はあると思いますが、遊戯王OCGにおけるサイパラというカード、
環境デッキは勿論、
"ファンデッキですら使うことを諦めたカード"
と言っても過言ではありません。
実際遊戯王wikiにも、「〜の方が」、「このカードである必要性が薄い」など、散々な書かれようです。
さて、そんなボロクソに書かれたサイパラを語るにあたり、まずは効果を思い出していきましょう。
沈黙の魔導剣士-サイレント・パラディン
光属性・天使族
ATK/500 DEF/1500
①このカードが召喚に成功した時に発動できる。デッキから「サイレント・ソードマン LV3」または「サイレント・マジシャン LV4」1体を手札に加える。
②このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、自分フィールドのモンスター1体のみを対象とする魔法カードが発動した時に発動できる。その発動を無効にする。
③フィールドのこのカードが戦闘または相手の効果で破壊された場合、自分の墓地の光属性の「LV」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。
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ぱっと見の感想としては、サーチ効果が強いかな、というものでした。
しかしながら、遊戯王wikiにもある通り、①のサーチ効果は、魔法カード:沈黙の剣でもソードマンはサーチがきく上、レベルアップしたいなら「沈黙の」対応モンスターを出す方がいいので、サイパラ(天使族)である必要性はありません。
そのため、サーチ効果を生かすためには、
「後続確保や手札コストとしての運用」
が考えられます。しかしアタッカーとしては不合格の500打点、また後続としての質は悪く、サーチしたカードは手札コストとしても墓地に落としてほぼメリットがありません。
エアーマンは自身もサーチ可能で、後続、コスト、オネスティでの戦闘強化を選べるんだよなぁ…
うーむ召喚成功時効果かぁ…
呼んだ?
(いつのまにかリンクス来てたんかお前…)
続いて②の対象魔法無効効果、まあ余裕のスルー
わざわざ魔法でサイパラ対象に取る相手おらんやろ_(:3」z)_
最後の③の回収効果、相手の効果によって破壊…無理やん相手わざわざ効果で破壊せんやろ
回収効果を使うためにレベル軸…もっとええ構築あるわ
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というような思考を経て、最初はエンペラーオーダーを採用した構築が決まりました。エンペラーオーダーといえばカゲトカゲ、召喚成功時に発動といえば当時(2017、キャンディナ3枚ok)はトリックスターが筆頭、ステージでバックも触れるということで構築が固まってきました。
また召喚成功時にマンジュシカの効果を起動することで、エンペラーオーダーによる無償1ドロー可能ということでシナジーもあります。※1
というわけで大元のデッキ案です。
イメージとしてはランク4で戦うデッキ、というところでしょうか。しかしながら当時リンクモンスターも数が少なく(このデッキはコードトーカーを採用してました)よっぽどの上振れでないと
リンク召喚+エクシーズモンスター
の盤面は難しそうです。
つまり"エクシーズモンスターがEXモンスターゾーンから立退かない"ケースが多発すると考えられました。
よって展開力でどうにかしていくというよりは、
『エクシーズモンスターによる状況の打開』
『ランク4やトリスタのそこそこの打点でのビートダウン』
という形にする方針が固まりました。
ここである事実に気がつきます。
「天使族多くね?」
そして
して
の流れが完成しました。
wikiにも書かれてしまった、サイパラ棒立ちで低攻撃力が晒されてしまうという事態もオネストでなんとかケアできそうです。
デッキとしては、先攻の動きはプラン的にせいぜいキングレムリンによるカゲトカゲサーチで返し札を用意しておく、くらいしか出来ず、モンスターによる盤面形成が出来ないために、同胞のデメリットは全く気になりませんでした。
また、エンペラーオーダーによって増えた手札で何をするのかという問題に対して、
ビートダウンを完成させるため、
『誘発、バックを充実させて勝ち切る』
というプランを取る事にしました。
なんらかの罠と、パワーの高い手札誘発である朱光の宣告者の採用が決まります。
しかし、「さあデッキを完成させていくぞ。」という段階で、一緒に"サイパラ効果をボロクソに言う会"に所属している友人から、思いがけない一言が。
友「魔法無効効果あるんだね。」
私「!!!!!!!」
どうでも良すぎて忘れていましたが、同胞で力天使ヴァルキリアと共に並べて魔法を無効にすれば、自分のターンもサーチできる!
つまりサイパラに魔法を撃つことで生まれるアド損は、
・自ターンと相手ターンにヴァルキリア起動で質の良い手札にして取り返す。
・無効にしてもアドとなるような、対象を取る魔法を採用する。
の2つでケアできそうです。
無効にしてアドが取れ、対象を取れる魔法なんてな…
ありました。
これでLv4天使族に同胞で力天使とサイパラ、妖刀対象サイパラ、サイパラef無効、力天使ef朱光、オネスト等サーチ、妖刀ef竹光カードサーチで1妨害確保しつつ、ハンド次第では竹光の2ドローも追加できます。
ということで思いついたギミックを全てぶち込んだデッキがこちらになります。
デッキ枚数は59枚、適当過ぎますねぇ…。
当時は剛鬼全盛期ということで、イゾルデ等を止めるためのうららは欠かせませんでした(どうせ戦わないけど)。
またデッキメインとなるサイレントパラディンは絶対に3枚採用だ!ということでサーチ対象のサイレントマジシャンを引かないために、デッキ枚数もマシマシです。
ナルキッスですが、原案ではランク4展開サポート用、今回は同胞の選択肢としての役割も見ての採用です。
これを何度か構築王で回したところ、サイパラの活躍やデッキの取り回し的には中々の好感触。しかしながら、デッキ枚数が多いが故にエンペラーオーダーや同胞といった、核となるカードにアクセス出来ず、サイマジやリリーベルの素引き、サモンチェーンが噛み合わないという事態が発生します。
よし、ゴミを減らしてダイエットしよう!
噛み合いの悪かったサモチェ、回ってから引きたい朱光、リリーベル等が減りなんとか49枚。
これを友人に回してもらったところ、
「結構強い。」
とのありがたい言葉をいただきました。
※フリー界隈での話です
ただ、「召喚効果サーチエンド。」を現代遊戯王は許してくれません。ちょうどイグナイト100%ワンキル※2が世に放たれた時期でもあったため、妨害を1つも用意できないデッキに人権は無かった(諸説あり)のです。オーダー、同胞を引く、更に罠を構える為にもダイエットは必要です。
ここで一つ疑問が浮上します。
「エンペラーオーダーって初動にも妨害にもならんくね?」
もともとオーダーは妨害とリソース確保という点を見込んでの採用です。しかしオーダーの無効効果は妨害として機能しないことが多過ぎました。ファンデッキ層の対決では手札の枚数がそのまま手数になる事も多く、止めきれないのです。また当然ながら通常モンスターであるイグナイトには無力です。
つまりエンペラーオーダー+モンスターの盤面は、実質ノーガードと同じでした。
またオーダーは2ターン目以降にデッキを回すカードであり、初動を止めつつビートダウンするというコンセプトともマッチしておりませんでした。
そこでエンペラーオーダーはリストラです。
エンペラーオーダーが消えたことで、彼から仕事を貰っていたカゲトカゲ君、そして
も、そのメインとなる大きな役割を失ってしまいました。
ランク4軸の40枚構築を経て、2019年9月に完成したデッキが
です。
〜サイパラ、ピンだってよ〜
エンペラーオーダーの不採用により、サイパラの役割が魔法無効のみになりました。
つまりヴァルキリアと同時に並べる事を前提とするため、同胞やヴァルキリアのサーチ用としての1枚だけで充分という判断です。
かなり事故は軽減され、また場に出る時は確実に活躍する時という流れになりました。
一部では「妖刀同胞レベル4」という呪文が流行ったとか流行ってないとか…。
その他の特徴としては、力天使によるパーミッションというところでしょうか。うららと違い、わらしは発動無効なので力天使のトリガーになれるということで優先的に採用しています。またアリアドネをサーチし、スケールに貼ることで神の摂理は無料でなんでも発動止められるカードになることも重要です。
以上がサイレントパラディンを有効に使うための試行錯誤と、私なりの結論です。
初の記事ということで読みづらさ等あったかと思いますが、ここまでお読みくださり本当にありがとうございました。ツイッターでもどこでも質問、感想等いただけると幸いです。
※1 例:キャンディナ、マンジュ
キャンディナns効果
チェーン マンジュシカ
チェーン エンペラーオーダー
→マンジュシカ無効で1ドローしつつマンジュシカが手札に戻るため、手札1枚増
※2 イグナイト100%ワンキル
妨害が無ければ先攻で100%ワンキルが可能なデッキ。ファイヤーウォール3体とエラッタ前のグランソイルを使い、ガンマンループを発生させて勝利する。